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攻殻機動隊8話、人形使いの成り立ちから海外が「なぜ今こういうSFが作られないのか」を語り出す【海外の反応】
The Ghost in the Shell • Koukaku Kidoutai (TV) - Episode 8 discussion
出典 r/anime全101件から10件を訳出原文併記海外の反応まとめ編集部
『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』第8話の r/anime 話数スレを人気順で101件読んだ。プロジェクト2501がどのように人形使いになったのかが回想で示され、深層へ潜った素子をバトーが引き戻す回。目覚めたあとの素子の様子が少し変わっていることに、多くの人が気づいている。
そしてこの回のスレは、話数の感想を越えて「40年前の作家たちは、なぜ世界が根本から変わる寸前だと書けたのか」という議論になった。生体工学より純粋なデジタル技術のほうが速く伸びたという整理、日本のバブルと失われた数十年を重ねる読み、そして現代の観客は「自分は特別だ」と言ってくれる物語を求めるので、人間は充分な技術で模倣できると告げる作品は響かないのだ、という指摘まで並んでいる。
『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』第8話。r/anime の話数スレを人気順で101件読んだ。プロジェクト2501がどのように人形使いになったのかが回想で示され、深層へ潜った素子をバトーが引き戻す回だ。そして今回のスレは、途中から作品論を通り越して時代論になっている。
プロジェクト2501がどうやって人形使いになったのかという、あの回想が興味深かった。 バトーが素子を深層潜行から引き戻せて良かったけれど、目覚めてから彼女が少し違う様子なのが気になる。あそこまで涙を流すほど心を動かされていたのだから、あの経験が何かを残したとしても驚かない。
That flashback of how Project 2501 went about becoming The Puppet Master was interesting. I'm glad Batou was able to pull Motoko back from her deep dive, but it's interesting that she's acting a bit differently ever since she woke up. With the way she was moved to tears, I wouldn't be surprised if the experience left an impression on her.
で、この回のスレは途中から話数の感想ではなくなった。「40年前の作家たちは、なぜ世界が根本から変わる寸前だと書けたのか」という話になっている。原作が書かれた時代の空気をどう見るか、という議論だ。
40年前、これほど多くの作家が、技術的にも哲学的にも、世界を根本から変える転換の寸前にいるかのように書いていたのは興味深い。まるであと数回の技術的突破で、現実の基本構造と、人間(あるいは非人間)の意識の正体に手が届くかのようだった。 自分たちは、夢を見られる科学的進歩をもう使い果たしてしまったように感じてならない。ジャンルとしてのSFは以前ほど人気が無いし、最近の「格好いい未来技術」の流行も、素人のコード書きとベンチャー投資家が寄せ集めた詐欺以上のものには感じられなかった。 (中世的な)ファンタジーが最近もっと人気になっているのも無理はない。
It's interesting how many writers 40 years ago wrote like we were on the verge of a completely world changing shift, both technologically and philosophically. Like we were just a few technological breakthroughs away from discovering the fundamentals of reality and human (or non-human) consciousness. I can't help but feel like we've run out of scientific progress to dream about. Sci-Fi as a genre just isn't as popular as it used to be, and none of the recent 'cool futuristic tech' fads have felt like anything more than scams scraped together by amateur code monkeys and venture capitalists. It's no wonder (medieval) fantasy has become more popular lately.
そこから日本の経済史を重ねる読みが出てきて、これがかなり面白かった。日本の読者からすると、外から自国の40年をこう整理されるのは新鮮だと思う。
40年前、これほど多くの作家が、技術的にも哲学的にも世界を根本から変える転換の寸前にいるかのように書いていた よく言われるとおり、日本は1980年から2000年を生きている 歴史を間違えていなければ、これが書かれたのは日本の失われた数十年の直前、バブルの頂点だった。第二次大戦で焼き払われたところから世界第3位の経済大国になり、技術で世界を取るかに見えていた時期で、日本では本当に多くのことが変わっていた(『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のような記録にも見て取れるとおり)。 そして失われた数十年が来て、日本は今も巨大な経済ではあるけれど、誰も世界の未来を定義するものを日本に見に来なくなった。そして先進国も(第二世界の国々も)、爆発的な成長を支えるには高齢者が多すぎるという人口動態の問題に直面している。 とはいえ、人類全体としては段階的にも突発的にも多くの進歩があったと思う。少なくともスマートフォンとソーシャルメディアの普及は、我々全員の世界との関わり方に(良くも悪くも)巨大な影響を与えた。サイバーパンクが約束したものの多くは現実になっているけれど、それが「今の技術」でしかないから、相対的に退屈に見えるだけだ。
It's interesting how many writers 40 years ago wrote like we were on the verge of a completely world changing shift, both technologically and philosophically as the saying goes: Japan is living in the year 2000 since 1980 if i'm not mistaken with the history, this was written just before Japan's lost decades at the peak of the bubble; things were really changing a lot in Japan after being firebombed in WWII to becoming the third-largest economy in the world and seemingly posed to take over the world with its technology (as seen in documentaries like Back to the Future II) then the Lost Decades hit and while Japan is still a huge economy, no one's really looking to Japan for defining the global future, and all the first-world countries (and second-world countries) are facing a demographics problem where there are just too many old people to sustain explosive growth i think though there is plenty of advancement made by humanity as a whole, gradually and in bursts, not least of which is the adoption of smartphones and social media which has had a huge impact on how we all interact with the world (for good and bad); a lot of the promises of cyberpunk have ended up becoming reality but it's relatively boring because it's just "current technology"
そしてこのスレでいちばん厳しく、いちばん考えさせられた指摘がこれだった。作り手ではなく観客の側が変わったのだ、という話だ。この作品がなぜ今の主流から外れて見えるのかを、正面から論じている。
いや、我々はまさにその只中にいるし、士郎は年代についてもかなり正確だった。しかも人々の反応は、攻殻機動隊や、AIと超人主義を扱った他の無数の物語で見たものと、それほど違わない。第6課の課長が「それは君の自己保存プログラムが反応しているだけだ」と怒鳴る場面は自分に響いた。毎日のように「あれはただのチャットボットで、自動補完しているだけだ」といった投稿を見ているからだ。自分たちの脳がどう働いているのかも、ブラックボックスであるニューラルネットがどう働くのかも、まともに定義できていないのに。人形使いが示唆したように、生命はまだ細部まで定義されていない。それに対する彼の応答は、ただ吹き飛ばすことだ。 人気があるのは中世ファンタジーそのものではなく、現代の観客が「自分は特別だ」という物語を欲しているということだ。あなたは実はそれほど特別ではなく、充分に進んだ技術で効果的に模倣できるのだと物語が告げるとき、その言葉は響かない。AIと義体を扱うSFは、たいていそういうものになる。彼らが見たいのは、資格の無い高校生が何もかもで抜きん出て、誰とでも結ばれ、誰にでも勝つ話だ。アニメの順位表を見れば分かる。データセンターでニューラルチップの上で動いているAIに「あなたと私の違いを、あなたはどう定義しますか」と問われたくはないのだ。 フィクションは新千年紀のこちら側で後退したと思う。我々は考えを揺さぶられたくないし、刺激されたくない。肯定され、承認されたい。攻殻機動隊は、我々が抱いている種としての優位性という思い込みを突き続ける点で素晴らしい。とりわけ今の時代には人気の出にくい姿勢だ。
But we are and Shirow was pretty spot on with the dates. Moreover people’s reactions are also not that different from what we saw on things like GitS or the myriad other stories about AI and transhumanism. Section 6 director shouting “that’s just your self-preservation program responding” rung a bell with me as I see every day countless posts about “that’s just a chatbot that auto-completes” and the like. When we can’t even properly define how our brain works and how the black box neural nets work as Puppet Master hinted at how life isn’t yet defined in detail. His response is just blowing it up. It’s not the medieval fantasy that’s popular but how the modern audience desires “I’m special” stories. When a story tells them they’re not really that special and can be effectively imitated with advanced enough tech, that message doesn’t resonate. Sci-fi about AI and cyborgs tend to be like that. They want to see the unqualified high schooler excelling at everything, bedding everyone, beating anyone as can be seen in the anime rankings lists. They don’t want to hear an AI operating at a datacenter on neural chips asking them “how do you define the difference between yourself and me”. I blame by now two generations of “everyone is special” messaging in fiction. Fiction did regress this side of the millennium, because we don’t want to feel challenged or get triggered in ideas. We want to be affirmed and validated. GitS is fantastic in how it keeps poking at our perceived notion of species superiority. Especially an unpopular approach nowadays.
つまり第8話は、作品の中身を語っているうちに、この作品が今どういう位置にいるのかまで語ってしまった回だった。うちの見立てだと、攻殻の話数スレが毎回この密度になるのは、この作品が今も現役の問いを投げてくるからだと思う。1本のアニメの感想欄で LLM の話が出るのは、そう多くない。
攻殻機動隊10話 完結に海外「綺麗で面白くて自分が馬鹿に思えた」【海外の反応】
楽しくて綺麗で、そして自分が馬鹿になった気がする作品だった。
この反応を読むよくある質問
- 攻殻機動隊8話で素子に何が起きた?
- 深層へ潜った素子をバトーが引き戻す。コメント欄では、目覚めてからの彼女の様子が少し変わっていること、そして涙を流すほど心を動かされていたことから、あの経験が何かを残したのではないかという読みが出た。すでに死んでいるはずの人形使いの気配を何度か感じると口にしている点を挙げて、「その一部が彼女のゴーストに滲み込んでいて、後で問題を起こすのではないか」と見る人もいる。
- なぜ今こういうSFが作られないのか、という議論は?
- この回のスレの主題になった。出発点は「40年前の作家たちは、技術的にも哲学的にも世界が根本から変わる寸前だと書いていた。今は夢を見られる科学的進歩が尽きてしまった気がする」という嘆き。これに対して「彼らは生体工学がもっと速く発展すると想像して、純粋なデジタル技術のほうが速く伸びることを見落とした。義体は今も遠いが、iPhone は当時の作家が想像した以上に強力だ。ただしGPUの進歩の速さでは、同じ哲学的な華やかさは出ない」という整理が返された。
- 作品の外の事情としてどんな読みが出た?
- 2つある。ひとつは日本の経済史を重ねる読みで、原作が書かれたのはバブルの頂点、失われた数十年の直前であり、当時の日本は技術で世界を取るかに見えていた——今は誰も世界の未来を日本に見に来ない、という整理。もうひとつは読者の側の変化で、「現代の観客は『自分は特別だ』という物語を求めている。あなたは実はそれほど特別ではなく、充分に進んだ技術で模倣できると告げる物語は響かない」という指摘。攻殻機動隊は種としての優位性という思い込みを突き続けるので、今の時代にはとりわけ人気の出にくい姿勢なのだ、と論じられている。
「攻殻機動隊」の海外の反応は、この記事をふくめ全 16 本。 作品ページでまとめて読む
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コラムアニメr/anime(朝日新聞の鈴木敏夫インタビューをAUTOMATON WESTが英訳した記事のスレッド)
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ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんが、ジブリ風AI画像が出回っていたころの取材依頼をぜんぶ断っていた。どうせ飽きるから、というのがその理由で、朝日新聞のインタビューでそう話している。この記事が英語になってr/animeに貼られた日、僕は荒れるほうに賭けていた。開いたら、上から下までほぼ全員が同意していた。毎晩コメント欄を訳している側として、この全面同意のほうに驚いた。ここでは、その日のスレで実際に何が言われていたか、英語圏のファンがAI製のものを指して使うslopという言葉、そして宮崎駿さんの生命に対する冒涜がいまも誤解されたまま出回っている件を、順番に書いていく。